はたらくコラム

ママ起業で失敗しないために知っておきたい起業の現実

2015年7月17日

http://www.career-lab.biz

近年では子育てをしながら起業する、ママ起業が増えていると言われています。自宅で趣味や特技を生かし、子育て世代など女性をターゲットにした教室を開催する女性がメディアで紹介されることも増え、「私も…」と考えることもあるでしょう。

とはいえ、ママ起業は良い面ばかりでもありません。ママ起業で失敗しないためにも、起業の現実も認識しておきましょう。


起業する女性の割合は昔のほうが多かった

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(出典:中小企業庁 「中小企業白書2014」より作成
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/h26_pdf_mokuji.html
注)「起業家」とは過去1年間に職を変えたまたは新たに職に就いた者のうち、現在は自営業主(内職者を除く)となっている者をいう。


好きなことや得意なことを仕事にし、勤務時間を自由に設計できて、子育てと両立しやすいママ起業。女性の起業希望者は増え、ママ起業向けのセミナーや講座など、起業に必要な知識を得る機会も多くなりました。また、SNSを活用して集客するなど、今は初期投資もリスクも少なく起業できるようになったとも言われています。

メディアでも「ママ起業が増えている」と紹介されていますが、実は「女性の起業」が増えているわけではありません。中小企業庁発表の起業家の性別構成の推移をみると、35年前の1979年のほうが起業家における女性の割合は多かったのです。その後、1997年まで全体の4割程度だった女性起業家の割合は、その後減少傾向にあります(中小企業庁「中小企業白書2014」)。

また、起業希望者と起業者の数も近年で特に増えているわけではないこともわかります。

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(出典:中小企業庁 「中小企業白書2014」より作成
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/h26_pdf_mokuji.html
注)起業希望者:有業者の転職希望者、または無業者のうち「自分で事業を起こしたい」と回答した者
起業者:過去1年間に職を変えた者または新たに職に就いた者のうち、現在は自営業主(内職者を除く)となっている者


このようにママ起業は、今のブームではなく昔から結婚で会社を辞めた(辞めざるを得なかった)女性の仕事の選択肢の1つでした。

ただ、日本政策金融公庫の発表によると、「女性、若者、シニア起業家資金」の融資件数のうち、特に女性向けの融資件数が年々増加しています。このことから、今は「本格的な事業として起業する女性が増えている」と言えそうです。

ママ起業は趣味や知識など「好きなこと」を活かして

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ママ起業の事業内容は、子育て関連や介護など生活ニーズに合わせた「生活関連サービス、娯楽業」や、趣味や特技、前職の経験を生かした「教育・学習支援事業」が中心です。

特に、子どもの誕生日を華やかに祝うためのアニバーサリープランニング、子ども向けの料理教室、子連れOKのネイルサロン、親子留学支援や、海外の子供服のネット販売など、「子育てママ」が必要とする新たなサービスを子育ての経験を生かして起業する事例が増えています。

最初から株式会社やNPO法人として起業するケースもありますが、自宅を使った教室や、自宅でパソコン1台から小さく始めることが主流になっています。

楽しいことややりがいだけではないママ起業の現実

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好きなことや特技を仕事にでき、さらに働く時間も自分で設計しやすいママ起業。メリットが多く見えますが、厳しいことも多いのが現実です。

中小企業庁によると、起業家の7割は従業員を雇わない自営業主です。最初から融資で資金を集め、事業計画を立てて起業するママもいますが、ここでは自営業主として自宅で小さく教室をスタートするケースを想定してみましょう。

好きなことや知識を活かしてサービスを始めても、インターネットやSNSですぐに多くのお客様が集まるわけではありません。最初はママ友などの友達にモニター価格、または無料で体験してもらい、口コミ中心でサービスを広げていくのが一般的です。

しかしこのときに、「モニター期間を過ぎてもママ友からお金をとりにくい」「安くしてねと言われる」という状況に陥り、人間関係に悩む、収益が上がらなくて困るということもあります。

また1人で続けている分、ママ友以外の集客ができる前にやめたくなってしまうかもしれません。パートと違って、常に顧客開拓をし続けなければいけない辛さもあります。女性のための起業塾などに入れば、同じように起業を志す仲間ができますが、数十万の受講料が必要になります。

さらに事業が軌道に乗り、収益が上がるようになれば、仕事は忙しくなり、家事や育児との両立が厳しくなってくるのは、企業に勤めるワーキングマザーと変わりません。

このような背景から、女性起業家の廃業率は22.9%と男性起業家の11.8%と比べ約2倍となっているのです(厚生労働省 「平成18年版 働く女性の実情」)。

目標は社会復帰か収入か社会貢献か?手に入れたいものを決めましょう

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(出典:中小企業庁 「中小企業白書2014」より作成
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/h26_pdf_mokuji.html


かつては「女性起業家」がちょっとしたブームになり、ママ起業というとカッコよくみえるかもしれませんが、収入にも厳しい現実があります。

起業家の7割は自営業主であり、自営業主の約3人に1人は年収が100万円未満です。売上から原価や経費を引いて、サービス提供のための準備にかかった自分の作業時間で割ったら、パート・アルバイトの時給のほうが高い…ということもよくあります。

自分のファンになってくれるお客様ができる喜びは、パート・アルバイトでは得られないものです。一方で、仕事を共有する仲間がいない孤独を感じたり、顧客開拓に悩みを感じたりもします。その意味でパート・アルバイトのほうが、気楽に確実に収入を得ることができるでしょう。

厳しい現実も紹介しましたが、少ない投資額で気軽に始められる「チャレンジのしやすさ」も、ママ起業の良さです。ママ起業の現実を理解した上でチャレンジすれば、「こんなはずじゃなかった」という状況に陥ることなく、うまくいってもいかなくても1つの経験として、次に活かせる財産にできるでしょう。



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